vol.1 樽の起源
樽はいつ、どこで生まれたのでしょう?

ある研究家の説によると、樽は“ゲルマンによる木材文化とローマの技術文化から成り立ち、 中心文化圏へのワイン輸送の増大化とともに普及した”と推測されています。

かの英雄ジュリアス・シーザーが、8回にわたるガリア遠征で、 北方の民族が持つ樽作りの技術を西洋文化圏に伝播したとの説も。しかし、口述文化を踏襲する彼らには、日常生活の情景が残されておらず、残念ながらそのオリジン、軌跡をたどることができません。

ビール、ワイン、オイルなど液体の貯蔵容器は、地域により独自の工夫がされてきました。地中海沿岸文化では、樽以前あるいは平行して素焼きのアンフォラが使われてきました。ギリシャやローマ、 果てはエジプト、シリアのメソポタミア文明の壁画、彫刻、銅版など遺跡芸術からも素焼き容器、動物の皮袋などが使われていたのを伺い知ることができます。樽の存在をさかのぼれるのは、せいぜいキリスト生誕半世紀前まで。 あとは推測に頼るのみです。


樽の出現によりそれまで難しかったワインやその他液体の貯蔵、運搬が飛躍的に便利になり、やがて広く世界に広まっていきました。

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